ラブホテル物語
らぶらぶシャトーにて 1話ノリオ氏(42才)は、都内にあるホテル『らぶらぶシャトー』の経営者である。経営者とはいっても従業員はノリオ氏の妻ひとりきりで、その妻が客室係を、ノリオ氏は受付を担当している。『らぶらぶシャトー』は、そんな小さなホテルなのである。今日もノリオ氏は受付カウンターの内側に座り、顔の見えないカップルたちに彼らが選んだ部屋のキーを渡し、料金を受け取って、ぼんやりと一日を過ごしている。ただひとつの楽しみといえば、受付にやってくるカップルたちがひそやかに交わす会話を聞いて、あれこれと想像をふくらますことくらいであった。ある日、学生らしい若いカップルがこんな会話を交わしているのを、ノリオ氏は耳にした。「○○ちゃん、このなぞなぞわかるかな……細くて長くて、にぎると先っぽから白い液が出てくるもの、なーんだ?」
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