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しがみつきながら、悟と何度も呼んだ気がする。その度に背中を宥めるようにさすられた。それが気持ちよくて、よけいに相手に擦りつく。汗でべたつくけれど、気持ち悪いとは思わなかった。しっかりと抱きとめられて、身体中をゆすられるのが気持ちいい。何度も絶頂に達したけれど、「もっと、もっと」といって、相手を離さなかったのは私だ。少しでも身体と身体の間に隙間ができると心もとなくて、私はイヤイヤをした。だから、相手もずっと私を抱きしめたまま朝までいてくれたんだと思う。朝、私が目覚めると、後ろ抱きにされたまま、しっかりとホールドされていた。頭がガンガンする。もごもごと身体をよじっていると、ぎゅっと抱きしめていた腕の力が強まる。それでまた後ろの男と密着してしまった。けれど、私は相手の顔を見ないといけないので、必死にその狭い隙間で身体をよじって向きを変えた。そう。顔を確かめなければいけない。なぜなら、今、自分が誰の腕の中でホールドされているかを私は理解していなかったからだ。昨日はしこたま会社の送別会で飲んだくれていたのは覚えている。けれど、3軒目を出たあたりから、ぷっつりと記憶が飛んでいるのだ。最悪だ。

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