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ラブホテル物語
![]() 3話:地下鉄で 私は「それじゃあ、まずは浅草の雷門に行きましょう」と歩き出した。「サンキュ」Kはうれしそうに指をならすと私の後をついてきた。本当はタクシーで移動したかったのだけど、Kが日本の地下鉄に乗ってみたいというので地下鉄移動となる。自家用ジェットだって持っているお金持ちのくせにと私は胸のうちで毒づく。おとなしく座ってくれればいいのにと思っていると、ふっとKが席を立った。見ると、腰の曲がったおばあさんが来たので席をゆずるらしい。「プリーズ、マダム」Kはまるでホストがするようにそのおばあさんと丁寧にエスコートする。それでまた車内の人の注目を一心に集めてしまった。ちょうど浅草の駅に着いたからいいようなものの、あのままだと絶対にKだとバレるところだ。駅に降りると、Kは先に早足で進む私にかけより「ごめん」と日本語で謝ってきた。どうやら、私がさっきと同じ理由で怒っているということは理解できたらしい。「別にいいわよ。いいことしたんだから」そう素直に謝られてきたんじゃ、私だって目くじらは立てられない。「サクラは、やさしいね」急にそんな風にささやかれる。それが胸をドキンとさせた。誰にだっていってるだろうに。 『外タレとラブホテル』の一覧へ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ホテル掲載依頼 ![]()
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ラブホテル物語![]() 3話:地下鉄で 私は「それじゃあ、まずは浅草の雷門に行きましょう」と歩き出した。「サンキュ」Kはうれしそうに指をならすと私の後をついてきた。本当はタクシーで移動したかったのだけど、Kが日本の地下鉄に乗ってみたいというので地下鉄移動となる。自家用ジェットだって持っているお金持ちのくせにと私は胸のうちで毒づく。おとなしく座ってくれればいいのにと思っていると、ふっとKが席を立った。見ると、腰の曲がったおばあさんが来たので席をゆずるらしい。「プリーズ、マダム」Kはまるでホストがするようにそのおばあさんと丁寧にエスコートする。それでまた車内の人の注目を一心に集めてしまった。ちょうど浅草の駅に着いたからいいようなものの、あのままだと絶対にKだとバレるところだ。駅に降りると、Kは先に早足で進む私にかけより「ごめん」と日本語で謝ってきた。どうやら、私がさっきと同じ理由で怒っているということは理解できたらしい。「別にいいわよ。いいことしたんだから」そう素直に謝られてきたんじゃ、私だって目くじらは立てられない。「サクラは、やさしいね」急にそんな風にささやかれる。それが胸をドキンとさせた。誰にだっていってるだろうに。 『外タレとラブホテル』の一覧へ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ホテル掲載依頼 ![]() #次のページ ![]() ![]() ![]() ![]() |