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2話:結婚宣言

「どういうことだよ。まさか、セーラー服を着たまま」次男の守がわなわなと手を震わせた。「いやー!お姉ちゃんそんな不潔なことに使ったの!?」里美が悲鳴をあげる。「ねえ、ねえ、何が不潔なの?」小学生の太郎がらんらんと目を輝かせて聞く。「ちゃんと洗って返したんでしょうね」三女の富美が冷静に返す。「もちろん。クリーニングしてたでしょ」さやかの言葉に、「やっぱり、使ったんだああ」と里美が泣き出した。ギャーギャーともめていると、黙ってご飯を食べていた長男の一郎がご飯茶碗をドンとちゃぶ台に置いた。その音の大きさにみんながシーンとする。いつもは物静かな長男だ。いきなりどうしたんだと太一も首を傾げた。たいていは、ここで怒鳴り散らすのは自分の役目だと思っていたからだ。が、今日の一郎はどこか様子が違っていた。いきなり、ぶるぶると震えたまま立ち上がると、箸をへし折りそうな勢いで手を握り締めている。そして「俺は結婚することにした。明日、嫁さんになる人を連れてくる。家族が増えることになるが、お前ら、おとなしくしとけよ」と、宣言して会社へと出かけていく。みな唖然とそれを見送った。結婚ってマジで?太一も愕然だ。

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