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ラブホテル物語
![]() 5話:ラブホテルへ 太一の問いに瑞穂は頷いた。山本家の玄関の前、ふたりの顔が近づく。もうすぐで唇が触れると思った瞬間、玄関の扉がガタンという音とともにハズれた。そこに7人が折り重っている。キスするのを覗いていたのだ。太一は怒る気も失せる。それからも大変だった。雰囲気がよくなると、いつも誰かしらの兄弟からジャマされる日々が続く。こうなったら、行くところはもうラブホテルしかない!太一はとある休日の昼さがり、瑞穂とともにふた駅離れたラブホテルに向かった。最初は恥らっていた瑞穂もこれだけ家庭内妨害にあうと、思い切るしかないと覚悟を決めてくれる。部屋に入って、とにかく思いっきりキスをする。誰も来ないとわかっていても、やたらとまわりの物音を気にしてしまった。家ではそれくらいいつも怯えながら接触していたのだ。「あっ」と声が出るのを瑞穂は抑えようとするが、「ちゃんと声を聞かせて。ここなら、いくらあげても構わないんだから」と太一が言うと、素直に頷いた。ようやく結ばれた頃には、ふたりして感動で涙が出てくる。ふたりが結婚したのはそれから半年後。でも家を出ずにもっぱらラブホテル通いなのは、やっぱり家族が大好きだからだった。 『大家族ラブホテル最終回第5話』の一覧へ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ホテル掲載依頼 ![]()
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ラブホテル物語![]() 5話:ラブホテルへ 太一の問いに瑞穂は頷いた。山本家の玄関の前、ふたりの顔が近づく。もうすぐで唇が触れると思った瞬間、玄関の扉がガタンという音とともにハズれた。そこに7人が折り重っている。キスするのを覗いていたのだ。太一は怒る気も失せる。それからも大変だった。雰囲気がよくなると、いつも誰かしらの兄弟からジャマされる日々が続く。こうなったら、行くところはもうラブホテルしかない!太一はとある休日の昼さがり、瑞穂とともにふた駅離れたラブホテルに向かった。最初は恥らっていた瑞穂もこれだけ家庭内妨害にあうと、思い切るしかないと覚悟を決めてくれる。部屋に入って、とにかく思いっきりキスをする。誰も来ないとわかっていても、やたらとまわりの物音を気にしてしまった。家ではそれくらいいつも怯えながら接触していたのだ。「あっ」と声が出るのを瑞穂は抑えようとするが、「ちゃんと声を聞かせて。ここなら、いくらあげても構わないんだから」と太一が言うと、素直に頷いた。ようやく結ばれた頃には、ふたりして感動で涙が出てくる。ふたりが結婚したのはそれから半年後。でも家を出ずにもっぱらラブホテル通いなのは、やっぱり家族が大好きだからだった。 『大家族ラブホテル最終回第5話』の一覧へ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ホテル掲載依頼 ![]() #次のページ ![]() ![]() ![]() ![]() |