ラブホテル物語
ヘタレラブホテル3話:図星
今呼ばれているのだって､部下の代わりに叱られているんだ｡なのに部下には｢ま､次､頑張ればいいから｣で済ませてしまう｡そんなことだから､部下にもなめられるのよ!代わりにチームリーダーの私がギャンギャンみんなを叱ることになるんだけど｡もうちょっとしっかりしてほしいとも思う反面､やっぱり､そういうところがいいとも思ってしまう｡かなり重症な恋の病だ｡いろいろと理由をつけては廊下をうろうろして､ようやく課長が部長から解放されたところにいきあった｡よかった｡部長室の扉を開けて､何度も頭を下げながら出てきた田中課長｡声をかけようと近づくと､ふんふふ～んと鼻歌を歌っているのが聞こえてきた｡この人､絶対､叱られてる間中､この歌を頭がヘビーローテしてたんだ｡お小言なんて左から右へスルーなわけね｡それがこの人の強さだとは思うけれど､ここでほだされた顔をしちゃいけない｡｢田中課長!｣私の怒った声に課長は鼻歌を止め､うん?という顔で振り向いた｡それだけでずきんと心臓が鳴る｡｢心配で待っていてくれたの?｣図星をつかれて､カッと顔が赤くなる｡けれど､それは怒りのせいということにするために､わざと眉をつりあげた｡
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今呼ばれているのだって､部下の代わりに叱られているんだ｡なのに部下には｢ま､次､頑張ればいいから｣で済ませてしまう｡そんなことだから､部下にもなめられるのよ!代わりにチームリーダーの私がギャンギャンみんなを叱ることになるんだけど｡もうちょっとしっかりしてほしいとも思う反面､やっぱり､そういうところがいいとも思ってしまう｡かなり重症な恋の病だ｡いろいろと理由をつけては廊下をうろうろして､ようやく課長が部長から解放されたところにいきあった｡よかった｡部長室の扉を開けて､何度も頭を下げながら出てきた田中課長｡声をかけようと近づくと､ふんふふ～んと鼻歌を歌っているのが聞こえてきた｡この人､絶対､叱られてる間中､この歌を頭がヘビーローテしてたんだ｡お小言なんて左から右へスルーなわけね｡それがこの人の強さだとは思うけれど､ここでほだされた顔をしちゃいけない｡｢田中課長!｣私の怒った声に課長は鼻歌を止め､うん?という顔で振り向いた｡それだけでずきんと心臓が鳴る｡｢心配で待っていてくれたの?｣図星をつかれて､カッと顔が赤くなる｡けれど､それは怒りのせいということにするために､わざと眉をつりあげた｡
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