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絵描きとラブホテル
5話:専属

夜中、私は目を覚ました。城崎さんが寝入ったのを確かめた後に、安心して自分も寝てしまったらしい。「起きた?」目をこらすと薄闇の中、にっこりと城崎さんが笑っている。もう大丈夫という城崎さんは、次に思いもしない願い事をしてきた。「君の体に絵を描いてみたいんだけど」まるで魔法にかかったように私は頷く。あらわにされた背中に、城崎さんの筆がなでおろされていく。背骨の上を降りて行くその感覚に体の芯から震えてしまった。「きれいだね」うっとりした彼の声。恥ずかしくて赤くなると、それさえも美しいとほめられた。背中に描ききったのか、そのまま体を裏返される。何も身につけてない姿をさらされて拒もうとするけれど、優しく抱きしめられた。それからは指に直接絵具をつけた状態で、表にも絵を描かれていく。感じる尖りをさすられれば、自然と声が出て恥ずかしい。城崎さんもそういう意味で興奮してる。結局、体中に絵を描かれ、最後には一緒にお風呂に入ってきれいに洗ってもらうことになった。背中を流されたあと、ぎゅっと抱きしめられて「僕の専属のキャンバスになってくれる?」と言われる。後ろを振り向くこともできずに、こくんと頷いた。

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