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ラブホテル物語
シャトーラブホテル3話:連れられて 駅まで送ってもらおうとしたところ、もう終電もないと言われた。確かにそんな時間だ。「よければ、私の宿に来る?部屋をもうひとつとってもいい。というか、ホテル自体が僕の持ち物なんだ」あっさりと言われて、びっくりした。けれど、この人の少し変わった風体を思うと、どこかのお金持ちということもありかもしれない。「あの、お金は後でお支払いしますから」「いいよ。言ったろ?僕のホテルだ。だから、家に招待したのも一緒だよ」さらりと言われた。お金持ちは違うらしい。こうして、車は山を登り、頂き近くにある江藤さんのホテルへと向かっていく。湖が見えてきたと思うと、そこにそびえ建っていたのはホテルという代物ではとてもなかった。「ようこそ、ホテルシャトーへ」江藤さんがそう言って、車のドアを開けてくれる。それはあながちうそではなかった。堅牢な石積みの外壁。上に何本が伸びた高い塔。どこからどう見ても絵本で見た西洋のお城だ。洋館ではない。まさにお城だった。「曾祖父が西洋かぶれでね。ヨーロッパにあった17世紀の城を移築したんだよ。でもこのご時世遊ばせておくのはもったいないから、つい先日ラブホテルとしてオープンしたんだ」 『シャトーラブホテル』の一覧へ ラブホテル物語の一覧に戻る
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