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執事とラブホテル
2話:子守り執事

それからお嬢様専属の子守り役のようになった。まだ小学校にあがったばかりだったが、それでも父親の仕事を小さい頃から見てきた自分は、そつなくこなせていたと思う。奥様も旦那様も忙しくて、あまり屋敷に戻ってくることはなかった。その代わり、お嬢様がさびしくないようにと自分が学校以外はずっとそばにいてあげたといっていい。さすがに中学校にあがられてからは、一緒のベッドで休むことはなくなったが、眠るまでつきそっていることは高校生になっても続いた。自分は旦那様のご厚意で、援助を受けながら近くの大学に通っていたが、屋敷を出るような学校には一度もいかなかった。大学も院まで行かせてもらい、卒業してからは亡くなった父親の跡をついで、屋敷の執事となったのだ。旦那様は自分を高く評価してくれて、企業への就職もと考えてくださったが、自分から志願して屋敷に残った。何より涙をためて進路をきくお嬢様を残しては、どこへも行けないと思ったからだ。そのお嬢様もいよいよ大学の卒業が近づいていた。「高田、今日は大学に置いた荷物を持ちかえるから、一緒にきて」お嬢様の言葉に頷く。「かしこまりました。ではお供いたします」

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