ラブホテル物語
執事とラブホテル3話:休憩
荷物が結構多かったので､大物を先にタクシーで屋敷に運び入れた｡二回目はどうにか手荷物で済みそうになった｡お嬢様に荷物を持たせたくなかったが､二回目は公共の交通機関でというので､いくつかの荷物を持ってもらうことになった｡｢まだそんな苦虫顔なの?私だって､これくらいの荷物は持てるわよ｡大学で何の実験をしたと思うのよ｡2キロ､3キロの飼料なら､何個も運んだんだから｣さばさばした顔で言われ､どうにか普通の顔へと自分の表情を調整する｡たくましく成長されたものだ｡｢でも､少し疲れたわ｡休憩してもいい?｣お嬢様が額に汗を浮かべて聞いてきた｡｢そうですね｡では､どこか喫茶店でも探して｣｢いいえ｡あそこにしましょう｡ほら､休憩って書いてあるもの｣お嬢様が指さした先には､思いっきりラブホテルの看板がある｡｢お嬢様､しかし､あそこは高こうございます｣ラブホテルですとはいえずに､しどろもどろで返す｡｢あれくらいのお金なら､持ってるわよ｡失礼ね｣お嬢様が顔をしかめられた｡｢いえ､しかし｣まさかここで自分からラブホテルがなんなのかを説明するのは無理だ｡｢ほら､行くわよ｣｢はあ｣さっさとラブホテルの部屋に入る｡
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