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幽霊ラブホテル
5話:熱を求めて

体にゆるくバスタオルを巻きつけた姿を見ただけで、カッと頭に血が上った。彼女がさっとバスタオルを落とした時には、もう何も考えられなくなっていたと言っていい。気づくと、部屋の大きくて丸いベッドに彼女を組み敷き、抱きすくめる。後はまるで夢の中のできごとのようだ。女性はしきりと哲也にしがみついて、荒い呼吸の中「あたたかい」と呻いた。「もっと熱をちょうだい」とねだられ、哲也は何度も挑んだ。どちらも息を弾ませている。「中、熱い。ずっと中にいて」女性の艶声が耳に残る。後は気絶するように眠った。朝、強い日差しに哲也は目を覚ました。こんな日差しが入ってくるような窓があっただろうかと哲也は目を開けると、飛び込んできたのは大きな青い空。なんと、天井が抜けて直接空がそこから見えていた。「わああ!!」哲也は悲鳴をあげて、ベッドだったものから転がり降りる。見ると、どうしてこんなものに横になれていたんだろうと思うほど、どろどろの塊の上に寝ていたようだ。慌ててホテルを飛び出し、車まで逃げた。改めて見ると、ラブホテルはすっかり朽ちかけている廃屋だ。じゃああの女性は、と思った途端に怖くなって、哲也はアクセルを踏みしめた。

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