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廃墟ラブホテル
3話:クマ男です

振り向くと、そこにぬうっと黒い影が。「ぎゃあああああっ!!」金切り声をあげてその場から逃げ去ろうとしたのに、腰が抜けて全然動けない。それどころか、ずるずると座りこんでしまった。「おい」影が低い声を放つ。「お化けがしゃべったあああ!!」もうそこで限界、ブラックアウト!軽い霊体験でよかったのに、なんで真正面でこんな体験しちゃうのよお。最初に気づいたのは水音。ぴちょん、ぴちょんと定期的な音が私の耳をくすぐる。それで、ゆっくりと目を覚ますと、崩れ落ちかけた天井が見える。「え?ここってまだ廃墟?」「そうだ。気がついたか?」「うぎゃあ」「おいおい、また気絶するなよ」懐中電灯の明かりに照らされた顔は、ヒゲだらけのクマみたいな男の顔。しかも、明らかに浮浪者な感じがプンプンとした。「あ、あ、あなた、足はあるの?」とりあえず、一番重要な事項を確認する。「はははは。幽霊と間違えたのか?なら、大丈夫だ。俺は死んだ覚えはない」豪快な笑い声が、廃墟のガランとした空間に反響しまくる。それがよけいに怖い。「ひっ」「おっと、大丈夫だって。生きてる生きてる」「本当に?」「ああ」私は胸をなでおろしてほっと一息ついた。

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振り向くと、そこにぬうっと黒い影が。「ぎゃあああああっ!!」金切り声をあげてその場から逃げ去ろうとしたのに、腰が抜けて全然動けない。それどころか、ずるずると座りこんでしまった。「おい」影が低い声を放つ。「お化けがしゃべったあああ!!」もうそこで限界、ブラックアウト!軽い霊体験でよかったのに、なんで真正面でこんな体験しちゃうのよお。最初に気づいたのは水音。ぴちょん、ぴちょんと定期的な音が私の耳をくすぐる。それで、ゆっくりと目を覚ますと、崩れ落ちかけた天井が見える。「え?ここってまだ廃墟?」「そうだ。気がついたか?」「うぎゃあ」「おいおい、また気絶するなよ」懐中電灯の明かりに照らされた顔は、ヒゲだらけのクマみたいな男の顔。しかも、明らかに浮浪者な感じがプンプンとした。「あ、あ、あなた、足はあるの?」とりあえず、一番重要な事項を確認する。「はははは。幽霊と間違えたのか?なら、大丈夫だ。俺は死んだ覚えはない」豪快な笑い声が、廃墟のガランとした空間に反響しまくる。それがよけいに怖い。「ひっ」「おっと、大丈夫だって。生きてる生きてる」「本当に?」「ああ」私は胸をなでおろしてほっと一息ついた。

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