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ラブホテル物語
廃墟ラブホテル4話:ホームレスです 落ち着いてみると、廃墟の中でもましな場所に運んでもらって寝かせてもらっていたことがわかる。「ありがとうございました」「いや、いいよ。あの状態で俺を見たら、ああなるのは当然だから。いつもはああやって、肝試しにきたヤンキーどもを追い出すんだけど。あんたはなんでまたここに?」それから自分の境遇を話した。話すうちに泣けてきて、びーびーと鼻をかむ。そのためのティッシュもクマ男さんにもらったのだけれど。「はー、いっぱい泣いたら、なんだかスッキリしました。クマ男さんのおかげです。明日、この仕事を最後に断ってきます」「はははは。でも、この仕事はやっちゃうんだ」「だって、受けた仕事だから」「ふうん。責任感が強いんだね。じゃあ、大丈夫だ。きっと運が向いてくるよ」「そうでしょうか?」「ああ。クマ男が保証する」「あ、ごめんなさい。変な名前つけて」「いや、いいよ。ぴったりだから」「とりあえず、もう少し寝たらいい」「あの、クマ男さんは、ここを寝ぐらにしてるんですか?」「まあね。たまに来るくらいかな」「大変ですね」「いや、おもしろいこともあるよ。今日みたいな珍客が来たり」クマ男さんはそう言って豪快に笑った。 『廃墟ラブホテル』の一覧へ ラブホテル物語の一覧に戻る
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