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ラブホテル物語
![]() 4話:ミカシック 送別会は大盛り上がりだった。さんざんホームシックネタでからかわれたので、居心地がいいわけではなかったけれど、それもご愛嬌だ。かなり飲んで笑って、ここを出て行くことの憂鬱さを忘れようとした。ここまでハメを外したのは、それ以外にも不安なことがあったからだ。もう一週間、ミカの姿を見ていない。俺が転勤するという話をしてからは、パタリと部屋に来なくなった。それだけじゃなくて、どうも避けられてる気がする。朝だって、以前は駅までよく一緒に行った。だが、ここ最近は早めに家を出て行くようだった。不思議に思って、ある朝二階の窓から見張っていると、始発の時間帯に出て行くミカの姿を見た。避けられてる。その時に確信したんだ。終電に乗ろうと駅に向かう。けれど、途中で胃液があがってきて、俺は道端にゲーゲーと吐いた。ついでに、なぜか泣けてくる。気持ち悪い。頭がぐるぐるする。こんな気持ちはあの研修生活以来だ。あの時と同じ症状が出ていた。首にできる湿疹だってそう。自宅にいるのにどうしてホームシックと同じなんだ?そこまで考えて、ようやく違いに気づく。そうか、ミカがいない。気づいてみれば簡単だった。俺はミカシックだったんだ。 『幼なじみラブホテル』の一覧へ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ホテル掲載依頼 ![]()
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